2020年


日常の中で

1月

叔父が他界しました
叔父は生前献体をお願いしていたらしく危篤の報を受けて会いにいき
臨終となった場でここでお別れをしたのちは大学病院に移送されますので
ご遺体が戻るのは早くて2年先になるという旨のお話が・・・・

・献体を選びし叔父のご遺体に向き合う刹那のわれはちっぽけ
・年月をかけあずまうた研究す置き文二冊に叔父を偲びぬ
・いにしえの言葉に魅かれ研鑽を積みて叔父逝く令和とう年
・変わりゆく日々に変わらぬものありと静かに語りし叔父は遺影に
・いかな場も他者を想いし叔父なりて献体という選択もまた
・折々に叔父の言葉を想うこと なかぞらに雲は生まれて消ゆる



2月 

SMAP解散から本当の事情は誰も知らない中でずっとたたかれて
たたかれ続けてひとりで本当によく耐えたと思う人が復活のライブを
しました
昔のあの場面の言葉じゃないけれど
「痛みにたえてよく頑張った」
と思いました
そして
どんなときも前を向いて信じ続けた本当のファンたちの前に現われた
彼は鍛え上げた身体と声と心で最高のステージを届けてくれました
彼のリスタートに手を貸してくれた人々を見ているだけでも
彼がどんな人物であるのかがとてもよくわかりました
どんな風に生きようと
どんな活躍をしようと
さまざまな雑音は消えることはありませんが
「批判は前に進むエネルギーに変える」
言い切る強さは
周囲で彼を支えてくれる人々の力の強さであることも理解して
応援していこうと思いました
大好きなスターである彼を支えスターであり続けることを守って下さり
私達に素晴らしい活躍を見せてくれ勇気を下さる
彼と周囲に感謝しています


・ときとして荒波のなかに置かるるも我が向きいたる方が前なり
・荒れ狂う波に立ちたるいちにんを支える板(ボード)に GO  WITH  FLOW


3月から新しい年へ向かって

新型ウイルスが蔓延していく
日本が世界が最大の危機に直面していく
それを目の当たりにする日々でした

今、そのウイルスが日本の罹患者として日本で発見されてから
一年になろうとしている日にこれを書いています
つまりここまでさぼってしまったのですが
その間このウイルスに関連して詠んだ歌もありました

それはこの後、書くとして
未知のウイルスに対峙して考えさせられたこともたくさんありました

人は弱いという実感です

根本的に
誰の所為でもないことにオタオタする

誰かが精いっぱい考えてたてた対策を
自分には対案もないのにただ批判する

怖いという気持ちを素直に言って共用すればいいのに
弱い者へ弱い者へ
あるいは
抗えない立場の者へ
ぶつけていく

何よりも誰よりも
命まで懸けて頑張っている人々が居ることに
想いが至らない

いろいろな場面を目にしました


それでも
人は強いという実感もあります

わが身が一番大切であることは誰も同じであるのに
そのたった一つしかない命を懸けてコロナウイルスに
向かっていく人たちがたくさんいる

直接対峙することはできないけれど
その頑張っている人人に迷惑をかけないための対策を
精一杯しようとする

不安な人を抱きしめる
身体で
言葉で

声高に叫ぶことはないけれど
しずかにしっかり祈る
見守る
協力する


先日見たテレビの中で
普段
人前で
感情を表に出すことのないであろう
お医者様が
「医療のひっ迫ということがどういうことかお話したいと思います

私の大学病院の病床は誰も受け入れない状況です
その日
緊急以来の電話がありました
話を聞くと
ほぼ大動脈解離の症状です
普段であれば
緊急手術を行い助けることができる可能性が見えるものです
でも
それがかなわないのが
今の状況です

ご家族と直接話をさせていただくことにしました
普段ではありえませんが
そうしたかったのです

緊急の受け入れができない状況を説明すると
『先生、とても苦しい思いをされている中で
直接お話を聞いて頂き
詳しい説明をしていただきありがとうございます

父は意識の無くなった状態です
かかりつけ医の先生と
家族とみんなで
しっかりとこのまま最期を見守りたいと思います』
と電話を切りました

自分は一人でも多くの命を助けたくて医者になりました
こんなに泣いた日はありませんでした」


みんな苦しいのです
誰かを責めている時間などないのです

声高にではなく
批判ではなく
出来ることを重ねながら
何とか打開策に進むこと道をいきたい

そんなことを想う日々でした

☆コロナ禍のひと日ひと日を乗り越えて暦に斜線いきるということ


 
短歌研究
応募詠草掲載歌


おおかたは鼻歌のように生まれますポテトサラダを混ぜつつ一首



打たれつつ打ちつつリングに立ち続くドネアの気概尚哉の気骨
ほんとうに闘っているものは何?うすく笑ってボクサーは立つ



小春日の白いシーツにかくれんぼ北風小僧にあそばれている



弱っちい心を脱いで捨てたごと季節おくれの蝉のぬけ殻



都会には詩があふれてるカーブから光とともに準急の青
ドラえもんぼくはこの世を生きてるよ運命線はまだ細いけど



ご時世は咳のひとつに乱されてSNSのみ上昇気流



献体を選びし叔父の亡き骸に向き合う刹那の我はちっぽけ



なんびとの命も重いしわ深き翁の触れる平和のいしじ
沖縄の平和のいしじに刻まれし敵味方なき悲しみの名
苦しみをバチバチ叩きつけるごと六月の雨 跳ね返す傘



コホコホと咳き込む不安鼻歌にマスクの中には小人がおどる



いつもより離した椅子の真ん中をつくり笑いの涼風がゆく



 

 

うたの日 題詠から
       抜粋掲載

「歯ブラシ」
あまりにも静かな別離に気づかずにまだ歯ブラシは寄り添って立つ


「難」
見えぬものを信じ続ける難しさあなたは好きを言葉にしない


「猪」
何気なく車道の側を歩くよねキミは絶対へな猪口じゃない


「真っ直ぐ」
真っ直ぐな線引くように生きてきた父さんの手には胡桃がひとつ


「曇」
順番にとは限らない逆さまを見続けてきた冬の曇天


「アイ」
目ぢからが理由ではない寄せつけぬアイギス持つ彼 あこがれと呼ぶ


「迷」
なかぞらに生まれて生きて消えていく迷いは持たぬ雲おどる空


「ドア」
音もなく閉ざされたドア手離したものの重さが今ここにある


「過」
地が震う過保護に過ぎし日々からの脱却としてマフラー外せば


「チョコレート」
『チョコレート革命』を読む かみしめる ジャッジするのは私ではない


「傷」
傷つかぬふりして笑ったテーブルに深く色づくいびつな林檎


「首」
当事者の声なき記事を鵜呑みす ペンとうわさが首とるうき世


「桜」
左手をつないだ癖も片笑みもふたりの春は桜が知ってる


「朝」
また朝がやって来ました あなたにはなかった未来を生きていきます