<短歌研究 うたう☆クラブ>
加藤 治郎選
別れなど口にはしないあなたには大切なんて便利な言葉
ひとりにはなりたくないとKeyを打つ結局独りと知る午前二時
「さびしい」と素直になれず「じゃあまた」と感性の皮膜通過させよう
「知らないわ愛と恋との境界は」「やさしい嘘をつけるのが愛?」
旅立ちに交わしし長き口づけはその日のままに空に消えゆく
小島 ゆかり選
ゆく夏の闇を照らして遠花火はじまらぬうちに心置き去り
胸をさす言葉に声を押しころし落ちたる星の光見つむる
さりげなくつないだひだり手 親指が「信じろ」という位置に落ち着く
<2005.10月号>
明日来る時間はどんな時間でも今夜はまあるくなって眠ろう
触れ合えば不協和音は耳の奥 この鍵穴には合わないのだろう(
)
穂村 弘選
うん たぶん あの日一秒くらいなら 愛されたかもしれないかもね
なめらかに行き交う言葉途切れても熱い言葉でRushしてきて
朧夜に獣の匂い閉じ込める「逢ってきた手」をポケットにおき
こわいのです声も聴けなくなることがパッションレスをきどった秋に
栗木 京子選
歌詠みて歌に詠まれて時はゆくレシプロシティ(相互主義)の哀しさのせて
「階段をゆっくり昇る」そう決めて見下ろす君の瞳と出会う
<短歌研究 詠草>
島田 修二選
・断ち切らぬことがやさしきことなのか揺れて応える君影草も
石川 不二子選
・ちろちろと水面に揺れる笹となり逢いにゆけない月越しの雨
・たわいない会話弾ませコトコトと煮込むカレーとあなたの笑顔